寺田達也(WMAJ)・近藤大介(SOLOJ)・岡村泰斗(WMTCJ)
WMA、SOLO、WMTC、WMI、AERIE…あ〜もう何がなんだかよくわらない。はい、そうですよね。説明不足ですみません。だから改めて説明させてください。
このワーショップでは、現在国内に存在するアメリカに本部を持つWilderness Medical Associate:WMA、Stonehearth Open Learning Opportunities:SOLO、Wilderness Medicine Training Center:WMTCの3つのプロバイダーが初の共同発表を行います。導入として、アメリカで野外救急法プロバイダーが設立し、Scope Of Practice: SOPのもと連携した歴史をレビューします。ワークショップの本体は、それぞれのプロバイダーの設立の歴史、日本での設立経緯、展開方法、カリキュラムの特徴、インストラクターのなりかたなど比較、解説します。最後に、それらの野外救急法プロバイダーが北米で共同開催する、本家本元のWilderness Risk Management Conferenceの様子についても紹介します。
Wilderness Medical Associate
1980年代にDr.David Johnsonらによって設立。30年以上にわたり世界中のWilderness Medicine(野外医療)に関わる最新のエビデンスと医学根拠に基づいたカリキュラムを作成。世界25か国にいるインストラクターや受講生からの現場フィードバックによって磨かれ、今は大学生やアウトドア愛好家からプロガイド、医療従事者までを対象に講習を行う、野外救急法のパイオニアで名実ともにリーディングカンパニー。日本では2007年に第1回のWMAコースが行われ、2011年に日本人インストラクターが誕生。2013年に公式日本支部(WMA Japan)が設立。現在も世界と同じ基準での野外救急法を国内で展開しており、近年は公的機関や医師からも支持を得始めている。
SOLOWilderness Medical School
1976年にDr. Frank Hubbellらによって、アメリカ、ニューハンプシャー州にキャンパスを設立。以来、野外医療の先導者として活動。各レベルに合わせた野外医療の講習を提供し、現在ではアメリカ国内だけで無く、世界各地で講習を提供。日本では、2015年に日本人インストラクターが誕生し、世界基準の野外救急法のコースを展開している。SOLOでは、真剣な内容の中でも、ユーモアに溢れ、皆が安心して参加出来る、生徒中心の環境にて学習効果を高める事にも重点を置いている。
Wilderness Medicine Training Center
1997年にワシントン州 でポール・ニコライゾフにより設立。彼は、10年間のアウトワードバウンドのインストラクター経験と、その後10年間のWMAのインストラクター経験に基づき、野外教育指導者のための、実践的で、現実的な野外救急法カリキュラムを開発。国内では、backcountry classroom社がライセンスを取得し、2016年より、野外救急法コースを展開している。無料更新可能なデジタルハンドブックや、オンライン学習による資格コースの短期化、低価格化など、他の野外救急プロバイダーにないユニークなサービスを展開している。