セッションA-2 16:30-18:00
・林健児郎(大阪YMCA/Wilderness Medicine Training Center) ・山本亮司(神戸YMCA/Wilderness Medicine Training Center)
今日、野外救急法は、アメリカのアウトドアプロバイダーではナショナルスタンダードとなり、有効な資格がないと、アウトドアガイドやインストラクターの業務を行うことはできません。一方で、その需要の高まりから、さまざまな野外救急プロバイダーが乱立し、カリキュラムやコンテンツにばらつきが生まれ、他のプロバイダーへのトランスファーに支障を来たす結果となりました。
この問題を解消するために、2010年にSOLO、WMA、WMI、WMTC、Aerieなどの野外救急プロバイダーが中心となり、アメリカの野外救急法カリキュラムの最低限の基準を設けたものが、SOPs: Scop Of Practices です。このガイドラインにより、これに批准する北米の野外救急資格は、発行団体を問わず、更新できるようになりました。
近年、北米のアウトドアリスクマネジメントにおいて、参加者の心理的な不健康などのメンタルヘルスに注目が集まっています。この動向を受け、2022年より、SOPsのガイドラインにメンタルヘルスに関する、評価と処置が追加されることとなりました。これを受け、各野外救急プロバイダーは、それぞれのカリキュラムに、メンタルヘルスの単元を追加することが求められています。
このワークショップでは、アメリカの最先端の野外救急事情を紹介するとともに、メンタルヘルスに関する、評価、避難レベルに関する評価方法を理解し、ケーススタディによって、実践的な救急技術を身につけます。